UK90s
【プレイリスト UK90s】
1・Safe From Harm / Massive Attack
2・Ponderosa / Tricky
3・Wonderwall / OASIS
4・Creep / Radiohead
5・No Surprises / Radiohead
6・Song 2 / blur
7・Setting Sun / The Chemical Brothers
8・Born Slippy (Nuxx) / Underworld
9・Space Cowboy / Jamiroquai
10・Teardrop / Massive Attack
【90年代のイギリスの音楽】
90年代のイギリスのプレイリストです。
何だか大ヒット曲だらけになっていますが、
それでもあの時代の特徴は出ているんじゃないかと
自分では思っています。
あの時代の特徴。
イギリスだけではなく、世界的な現象でしたが、
90年代はそれまでに確立していた
音楽ジャンルの混ざり合いが、
凄く進んだ時代だったように思います。
そうしたジャンル融合の時代を象徴すると思うのが
マッシブ・アタックです。
ソウル、ジャズ、ヒップ・ホップなどのブラック・ミュージックを軸に
他ジャンルのサウンドを溶け合わせたスタイルで、
本当にそれまでに聞いたことが無い音を聴かせてくれました。
最初の3枚『ブルー・ラインズ』『プロテクション』『メザニーン』はどれも傑作です。
90年代にマッシブ・アタックを聴いて驚いたのは、
トレイシー・ソーンやエリザベス・フレイザーといった
他のバンドのボーカリストを楽曲ごとに招いていたことです。
2000年代になると日本でもDJや作曲家の作品で
複数のボーカリストが参加する作品が目立つようになりますが、
当時は本当に凄い方法をとっていると思ったものです。
彼らの周りにいた人たちも素晴らしいです。
その一人が、アメリカ映画『ロミオ+ジュリエット』の音楽を担当したり
マドンナやU2のプロデューサーに起用された、
ネリー・フーパー。
彼はマッシブ・アタックの前身のユニットである
ワイルド・バンチのメンバーで、
アルバム『プロテクション』ではプロデューサーの一人になっています。
ネリーの人脈なのか、『プロテクション』は
作曲家のクレイグ・アームストロングが作品に参加していたりと、
今振り返ると非常に豪華な参加者です。
彼らの最高傑作と言われるアルバム『メザニーン』では
ロックとテクノの要素が強くなりますが、
その変化も90年代の特徴だと思います。
アンダーワールドやケミカルブラザーズが代表的なアーティストですが、
ロックとテクノを融合したようなスタイルが
よく聴かれるようになった時代でもありました。
アンダーワールドやケミカルブラザーズは,
元気なというか明るい感じもありますけど、
90年代の一つの大きな流れは、やはり『暗さ』だと思います。
マッシブ・アタックも暗いけど、さらに暗いのがレディオヘッドでした。
『Creep』と『No Surprises』を続けて聴いてみてください。
暗くて美しいから!
『Creep』を初めて聴いた時の衝撃は凄かったという人は今でも沢山います。
暗いけど美しいのがレディオヘッドです。
この「暗いけど美しい」というところが
他のロックバンドとの大きな違いで、
当時のイギリスのロックバンドはブリット・ポップと呼ばれていましたが、
レディオヘッドだけその中に入ってなかった気がします。
やはり良い意味でポップとは言いにくいんですよね。
オアシスもブラーもポップな要素があり、
ハウスとかヒップホップのDJがクラブで彼らの曲をかけてたりしてたんですよね。
例えばブラーの『Song2』とかクラブでよく流れてましたよ。
当時のクラブは世界中で面白いことになっていました。
そんな状況で大きく盛り上がっていた一つが、
アシッドジャズのシーンで
DJとしてジャイルス・ピーターソンが面白い活動をしていました。
イギリスでは80年代から盛り上がっていたアシッドジャズですが、
世界的に注目を集めたのは90年代だった気がします。
日本でも人気になったジャミロクワイもア
シッドジャズのシーンから登場しました。
インコグニートやガリアーノといったアーティストも
素晴らしい作品をリリースしていました。
そういえばジャイルス・ピーターソンは
最近リリースされた椎名林檎さんのリミックスアルバムにも
参加しているので、今後の活躍が楽しみです。