激動の時代を考えるヒント
【今回の本】
『悪党たちの大英帝国』君塚直隆
イギリスの歴史の中で活躍した7人の
「悪いやつ」を書いている本です。
登場するのはクロムウェル、チャーチル、ウィリアム三世など。
彼らがなぜ「悪いやつ」と言われるのかを考えていくと、
激動の時代を考えることにつながっていきます。
なぜその時代は激しく動くことになったのか?
激動の時代に活躍する人間はどういう人物なのか?
激動の時代に生き残るには何をするべきか?
ということを考えさせられます。
それは今の時代を考えることにも役に立ちます。
この本では国政を担当する政治家ばかり出てきますが、
国政から遠く離れて生きているような
市井の人間にも役に立つ内容だと思います。
企業とか業界といった狭い世界で生きる人たちにも
「小さな世界の大きな変革」というのは身近な話であり、
「人間のいるところ、政治あり」で社内政治に
苦しんだ経験がある人は、少なくないでしょう?
自分の身近な人間関係を考えながら読むのも、面白いかもしれません。
それにしてもイギリスの変化の大きさと、
その巧みさには改めて驚かされます。
巧みさの部分は、チャーチル以後の時代に
さらに洗練されていくような印象があり、
その後の時代を調べていくのも面白いですよ。
『日が沈む帝国』になってしまったイギリス。
『月夜の帝国』としてのイギリスは
2023年の今も面白い存在です。