優しくすると、なめられる?
野球の話題で持ちきりです。
WBC、日本代表は本当に凄かった。
話題の中心は大谷選手、ヌートバー選手など
選手たちですが、
仕事に苦しむ人々の間では
栗山監督の話題が一番多いかもしれません。
【新しいリーダー像としての栗山監督】
不調が続いていた村上選手への
接し方が象徴的ですが、
栗山監督のチーム作りとかチーム運営、
人との接し方に、
日本のリーダーにはなかなか無い
良さを見出した人は、
多いんじゃないでしょうか?
野球の技術的なことが分からない人でも、
組織運営者としての栗山監督に
興味を持つ人は多いと思います。
ビジネスマン、働く人々は特に強い興味を
持っているんじゃないでしょうか?
栗山監督が今後本を書くとしたら、
間違いなくビジネス書として読まれるでしょう。
組織運営とか人の力の引き出し方
といったテーマで
執筆依頼が殺到していそうです。
『信じる力』とか『自主性』
といった本のタイトルを想像しますが
栗山監督の最大の個性は
優しさなんじゃないかと思う、今日この頃です。
日本では珍しいリーダーですよね。
【優しくすると、なめられる?】
今までの日本のリーダーというのは、
怖い人が多かったように思います。
良く言えば『強い指導力』
ということになりますが、
悪く言うと『恐怖による指導力』になります。
『叱って伸ばす』みたいな感じです。
なんでそういう指導が多かったか?
いろいろ理由があったでしょう。
短時間で完成させなければならないとか、
低予算で完成させなければならない
といったこともあったと思います。
私が個人的な体験から思うのは
日本のリーダー、特に経営者の人は
「優しくすると、相手になめられて自分が困る。」
という思い込みが、
あったからじゃないかということです。
だから、相手に厳しくあたる。
相手の言い分を聞かない。
そういう面があったように思うのです。
もの凄く非難されそうなことですが、
今この時にもあるでしょう。
しかし働いていると、
特に自分で商売をしていると、
「優しくしたことで、自分が困ることになった。」
という経験をすることが
少なくないかもしれません。
あなたの指示に全く従わない部下。
契約通りに支払いをしてくれない顧客。
依頼内容と違うことをする取引相手。
そういう相手に出会ってしまった時のことを
思い出してください。
凄いストレスだったでしょう?
本当に苦しい状況に追い込まれたことも
あったでしょう?
そういったことが続くと
「優しくすると、相手になめられて自分が困る。」
と強く思うようになるのも
仕方ない事かもしれませんよね。
でもよく考えてみると
相手はあなたをなめていたのではない可能性も
ありますよね?
単なる勘違いとか実際あります。
意思疎通に問題があっただけのことでも
日本だとなぜか
「相手が自分をなめている」
と感じる人が少なくないんですね。
不思議です。
そういうのは、出来る限り変えた方が良い。
相手になめられたと感じても、
冷静に穏やかに対応した方が良い。
厳しく人にあたるのは止めた方が良いと思います。
なぜなら、恨みと憎しみを生んでしまうから。
【嫌われるのは仕方ない。でも恨みと憎しみは避けましょう】
スポーツ選手などが、厳しい指導だったけど、
自分が成長したから指導者には感謝しています。
などと言っていることを聞くことが
あると思います。
指導する側の人は、
そういうのを真に受けない方が良いですよ。
「厳しくしないと強くならない。
嫌われることを怖れて
厳しくしない指導者はダメな指導者だ。」
とか本当に思っている人がいたら、
恨みと憎しみの怖さを思い出せ。
人間の心の複雑さを思い出せ。
と伝えたいですね。
厳しい指導を受けた側の人が
感謝しているのは、本当なんです。
でも感謝だけではないのが現実です。
感謝と一緒に恨みと憎しみがあったりします。
人間の心の複雑さです。
スポーツの世界だけじゃありません。
商売の世界なんかは、
買ってもらって本当に助かった。
お客様は神様です。
と言っていても、
買ってもらうまでにさんざん苦労させられたことは
忘れることが出来なかったりするんですよね。
プライベートでもそうでしょう?
夫婦関係とか兄弟とか親戚の間のことでも、
凄い実例ありますよね?
50年の時を超えて成される復讐ってあるんです。
熟年離婚とかね。
恨みと憎しみの怖さを思い知る機会は、
身近にもあるのです。
そういうことを考えると、
どんな人間関係であっても
厳しく接するのは良くないし、
暴力的なことは悪い事だと心から思えるでしょう。
そういうことを改めて考えさせてくれた
栗山監督でした。