昔の新人研修
新人研修の季節です。
人手不足が深刻な時代ですから、
新人さんも大切にされて、
科学的で効果的な研修が行われてると思いますが、
昔の新人研修って酷いのが多かったですよね?
なんであんなことをしていたのでしょう?
【トイレを素手で磨く研修】
コロナ禍を経験して衛生管理というものを
しっかり考えるようになった現在では、
行われていないと思いますが、
昔は『トイレを素手で磨く研修』というのが
あったりしました。
酷いと一部の学校、
教育現場でも行われていたようです。
そんなに昔のことではないんですよね。
2010年代、コロナ禍の直前くらいまで
あった研修です。
愚かなだけでなく、有害な研修だと思います。
有害な点を確認しましょう。
【本当に重要な点を見ていない】
トイレというのは汚くなるだけではなく、
危険になる場所です。
病気の感染という危険です。
コロナ禍で『感染』ということが強く意識される
ようになりましたが、
トイレが関係する感染はO―157とか
ノロウイルスとか様々です。
そうした細菌やウイルスを除去するには
適切な道具を使わないと不可能なだけでなく、
危険です。
にもかかわらず、
素手でトイレ磨きをさせるのを絶賛する人たちは
「素手でしかわからない汚れもあって、
そうした細かいところまで気が付いて
小さなことも疎かにしない
素晴らしい人物に育てるために
役に立つ研修です。」
とか言ってしまうんですが、
細菌やウイルスによる汚染は素手で触ったり、
目で見ただけではわかりません。
適切な洗剤、薬剤を使わないと
死滅しない細菌・ウイルスが存在します。
素手で磨いて、見た目が白くピカピカに輝いても、
ウイルスだらけということがありえるそうです。
この研修を経験した人が、
目で見た部分にしか意識が向かず、
一番重大な問題を解決できない人に
育ってしまわないか心配です。
なにより、あえて感染の危険が上がる方法で
やって良いのか疑問です。
安全管理義務に違反しないのかな?とか思います。
あと商売で不利になるんですよ。
ある飲料メーカーが
素手でトイレ磨きをする研修をしていたことが、
マスコミとかを通じて
広く知られているんですけど、
衛生管理に問題がありそうなイメージだから、
そこの商品は一切使わない
という飲食店が出てしまった
という噂話を聞きました。
噂が出る時点で大ダメージだと思います。
小売りもしてるので、
その飲料メーカーの将来が心配です。
【人の嫌がることが出来るのは、本当に良いことか?】
また、こんなことを言う人もいます。
「トイレを素手で磨くなんて、誰でも嫌でしょう?
その、人の嫌がることを率先して出来る人は
立派な人だと思うんです。
少なくとも、みんなから感謝される人ですよ。」
これを聞いて、どう思います?
納得する人もいると思います。
場合によっては正しいかもしれない。
しかし危険な考えだと思う人がいるのも
自然なことじゃないでしょうか?
『人の嫌がること』が『トイレを素手で磨く』から
別のものに変わったらどうでしょう?
『トイレを素手で磨く』から
『近隣に迷惑をかける若者に注意しに行く』に変わったら?
『違法にゴミを捨てに来る業者を阻止する』に変わったら?
『違法に島に入ってくる外国人を追い返す』に変わったら?
『侵略してきた外国と戦争する』に変わったら?
どうでしょうね?
人の嫌がることを進んでやっている立派な人は
人殺しをしなければいけなくなるかもしれません。
嫌なことは嫌だと言った方が良い場合って
かなり沢山ありますよね。