どこでも生きていけるかも
【今回の本】
『地球にちりばめられて』多和田葉子
どこにも居場所が無いと感じる時に
読むと気分が軽くなるかもしれない1冊です。
【母語で会話するということ】
これは、自分と同じ母語を話す人を探す
旅の物語です。
翻訳デバイスとかアプリが発達した現在、
最低限の意思の疎通は
凄く簡単になりました。
そんな時代に、
自分の母語で会話することの
価値だったり意味だったりを
考えさせられます。
それは自分とは何であり、
仲間とは何だろうか?
という問いにつながっていき
文化とか人種とか国といったものを
改めて考えさせられます。
人種も国籍も文化も違うのに
仲良く出来る人たちもいれば、
人種も国籍も文化も完全に同じで
しかも家族であるのに
殺し合いになることもある。
人はなぜ、憎み合い争うのか?
なぜ、仲良くなるのか?
【仲良くなる不思議】
主人公は様々な場所に行きます。
語学の達人、天才が沢山出てきます。
仲間が出来ます。
現実を思い返すと、
嫌な経験も沢山する旅というものですが
柔らかく軽やかな文章なので
多様な仲間たちとの旅はとても魅力的に思えます。
なんだか、
違う場所でも生きていける気がしてきます。
ここに居なくても生きていけるかもって
思わせてくれます。