『リーマン・ショック10年目の衝撃』

【今回の本】

『リーマン・ショック10年目の衝撃』米倉茂

株価の上昇が続いていますが、

この先どうなるでしょう?

経済の先行きを考える時に役に立ちそうな1冊

「リーマン・ショック10年目の衝撃」米倉茂

2019年3月に発売された本で

非常にコンパクトにまとめられています。

リーマン・ショックを振り返りながら

次の危機の時にも注意した方が

良さそうなことを考えました。

【間違った情報の行方】

危機のときには間違った情報、

ウソの情報が危機を悪化させることを

改めて考えさせられました。

リーマン・ショック前の

BNPパリバの問題について書かれている部分を

読むと、情報を正確に伝える、

情報を正確に読み取ることの難しさが分かります。

「問題は起きている。だが小さな問題だ。」

という事実が

「問題は起きている。」

とだけ情報として伝わると

人々に必要のない行動、やってはいけない行動を

とらせてしまうというようなことが

この先もきっとあるでしょう。

古くて新しい「フェイク・ニュース」という問題に

気をつけないといけません。

【「なんでもありな状態】

リーマン・ショックの対応から

世界的に定着したのは

「問題は小さなうちに解決しろ!」

ということで

今年のアメリカ、スイスでの

金融機関の破綻処理では

それぞれの国の政府・中央銀行が

すばやく、積極的に行動したことで

世界的な大恐慌にはなりませんでした。

「それを避けるためには、何でもありな状態」

にあると言えます。

「それなら、絶対救済されるんだから

 極大リスクの取引で勝負をした方が

 良さそう!」

などと思いそうですが、それは危険です。

何でもありな状態は

何でも出来るわけではないのです。

解決不能な問題が起きる可能性はありますし、

解決策は崩壊させ、消滅させることです。

とAIが回答するような事態になることも

あるかもしれません。