『たったひとつの冴えたやりかた』ジェイムズ・ティプトリー

若い人むけの作品と言われますが、

人生に疲れ傷を負った、

中高年の人にとっても切実な内容の物語です。

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たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)

【勇敢で名誉ある選択】

皆のために

この国のために

子供たちの未来のために

最大の努力が必要だ。

英雄的行動が必要だ。

勇敢で名誉ある選択をして欲しい。

などと言われた時に

あなたは、どう行動するでしょう?

本作「たった一つの冴えたやり方」を

読んで感動した人は、こういうことを

真剣に考えた方が良いかもしれません。

悪賢い人に利用され、

悲惨な死に方をするかもしれませんから。

【美しく、素晴らしい。そして危険で厄介なもの】

たった一人の、大切な人のためなら

どんなことでもできる。

そういう感覚は多くの人が持っているでしょう。

人間には他人のために良いことをしたいという、

本能のようなものがありますよね。

そういう美しくすばらしい、本能のようなものは

同時に危険で厄介なものです。

「大切な人を含む、みんな」

というものを持ち出して、

人に無理なことをさせる

悪い人がいますから。

本作を読んで、

こういうことを思ったと知人に話したところ

「キミは心がねじ曲がっている。

 もっと素直になった方が良い。」

と言われてしまいましたが、

もう若者とは言えない歳まで生きてくると、

そんな風になることもあるんです。

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たったひとつの冴えたやりかた (ハヤカワ文庫SF)