『リスペクトR・E・S・P・E・C・T』ブレイディみかこ

ロンドンで実際に起きた出来事を

ベースにした小説です。

「自分は、このさき生きていけるのかな?」

と思っている人、思ったことがある人は

読むと良いかもしれません。

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リスペクト ――R・E・S・P・E・C・T

この作品を読んで改めて強く思うのは

政治・行政というのは

全ての人のためのものでなければ

ダメだよなということです。

日本全国あらゆる地域で、

地域振興のための様々な活動が行われていますが、

あからさまに一部の人の利益になっていたり、

優遇されていたりすることも多いですよね?

ダメなことなんです。

そうは言っても、全ての人に平等にというのは

現実的じゃありません。

誰かが利益を得る一方で、損する人がいるのも

仕方がないかもしれません。

不平等なことも受け入れるでしょう。

問題は損得の程度とバランスですよね。

特に損すること。

「みんなのために、この地域のために、

 我慢してください。」

と言われて、我慢を続けた結果がどうだったか?

生きていけないような我慢を要求をすれば、

いずれこういうリアクションも

ありますよということを

現実的に考える良い機会をくれる作品です。

人間が生きようとする力の

凄まじさも思い出すことでしょう。

生活の問題として

住居問題が取り上げられていますが、

不動産投資をしている人は、

自分の商売を改めて

真剣に考える良い機会になると思います。

ワンルームマンション投資のような

小さい不動産ビジネスであっても

人の生活に直結していて、

なおかつ生死に関わることもある

重大な商売であることを再認識するでしょう。

デベロッパーの説明会などで、

浮かれすぎている事業計画を聞き、

懇親会でその地域の住民の

悪口を聞かされるということは

不動産投資をしていると、よく経験することです。

そうすると、

地域住民が地域の発展を妨げる悪い人たちに

見えたりします。

それがいかに危険か、

そしてなぜ危険かということを

気付かせてくれます。

生きていけない状態に追い込まれた人は

どうするのか?

そういうことは絶対に考えないと危険です。

逆恨みで不動産のオーナーが

殺されることもあるわけですからね。

そして、生活に不安がある人。

この本を読んでも

明るい展望は開けないかもしれません。

でも、簡単に死んでやらないぞ。

というような気にはなってきます。

すごく価値のあることです。

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リスペクト ――R・E・S・P・E・C・T