3Dプリンター住宅 VS リノベ中古住宅

2023年9月。

3Dプリンター住宅が

久しぶりにマスコミに取り上げられました。

かなり前から、海外の事例(ドバイなど)とか

コンクリートの新建材の関連などで

その存在は知られていましたが、

兵庫県のセレンディクス株式会社さんの住宅が

紹介され、一般にも3Dプリンターで家を建てる

ことが現実的な選択肢として、

認識されそうな流れが出てきましたね。

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【魅力的だけど、高価なリノベーション】

セレンディクス株式会社さんの住宅、

一例では50㎡の建物が550万円で

建てられるそうです。この価格は衝撃的です。

影響があちこちに出ると思いますが、

特に田舎の不動産に

大きな影響が出るかもしれません。

今、田舎では移住者の募集と空き家の活用に

力が入っています。

しかし現状は

上手くいっていない地域が多いそうです。

リノベーション物件、

特別安くなるような物件は少なく、

田舎だと800万円ほどで建てられる

新築住宅の方が魅力的に見えることも

あるようです。

建物を北欧スタイルとかモダン和風のような

オシャレなものにすると

築40年で80㎡の4LDKの物件が

2500万円ほどになると聞きました。

この場合、リノベーション前の物件の

仕入れ価格は土地建物で200万円だった

そうですから、単純計算で2300万円も

価格を上げての販売です。

利益がいくらか教えてもらえませんでしたが、

リノベーション費用は1000万円以上でしょう。

東京の感覚なら安いことになるかもしれませんが、

田舎では80㎡の住宅が800万円で建ちます。

安くても新築は、

やはり魅力的に見えるようですね。

そういうのを見たうえで、

それでもリノベーション中古住宅を

買おうとする人は、やはり少ないです。

そうした現実から見えてきたのは、

田舎に移住しようとする若い人に多いのは、

とにかく安い住宅だということです。

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【費用の総額が実は高い】

田舎の空き家は安いものだと

100万円を切るものもあります。

そういう物件は、そのまま住み始めるには

厳しい状態のものが多く、

修繕をしないといけません。

ケースバイケースですが、

必要最低限の修繕でも

数百万円の費用がかかります。

もしかすると3Dプリンター住宅と

費用が同じレベルになるかもしれません。

これからさらに

3Dプリンター住宅の価格が下がる

なら、空き家の解体費用を入れても

リノベーションするより安くなることも

考えられます。

一時期は、これからはリノベーション需要で

大工と空き家は儲かるなどと言われましたが

現実にはそんな需要は小さく、

工務店は人手不足と倒産が増加し、

建築費の高騰になっています。

これからは大工が作った家は高級品になり、

一般人には縁の無いものになるかもしれません。

それは悪い事でも悲しい事でもないと思います。

安くて快適な家が手に入れば、

それで良いと思います。

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【「良いものを安く」がやはり成功する商売かもしれない】

3Dプリンター住宅の

セレンディクス株式会社さんも

同じことを思っているかもしれません。

事業コンセプトの重要な要素として、

住宅ローンからの解放と自由の獲得

というようなことがあるようです。

すばらしい事業コンセプトですよね。

インフレ期の今、

こういう事業コンセプトの会社と商品が

出てきたことを、事業をしている人は

じっくり考えた方が良さそうですよね。

セレンディクスさんの商売は

「良いものを安く売る」という商売だと思います。

数年前から

盛んに批判されているタイプの商売です。

よく見聞きするのは、

日本企業は「良いものを安く売る」

という商売しかできないから

デフレになって経済成長できない。

良いものは高く売るべきだし、これからは

「良いものを、適正な値段で売る」会社

しか生き残れない。というようなことです。

言っているのは、

どうにも信用できそうにない経済評論家の人が

多い印象です。

経済評論家の人、

間違っていたらどうするんでしょう?

デフレからインフレになった

今の流れを見ていると、

問題はずっと給料が増えない、

所得が増えないことで、

物価が低くても高くても

一般人は生活が苦しいんですよね。

そうすると、一般人には安く買えるものが必要で、

「良いものを安く売る」会社は

絶対に必要とされます。

かつての「良いものを安く売る」会社の問題は

「良いものを安く売る」ために

人間を安くこき使ったことで、

安く売ること自体は悪い事ではないでしょう。

「良いものを安く売って」

従業員の給料は高いという会社を作れる人が、

次の時代の優れた経営者像かもしれません。

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【不動産業界、激変の予感】

この先、どういう企業が勝ち残るかは

意見百出になるでしょうが、

不動産業界は販売にせよ賃貸にせよ、

状況が大きく変わることは確実でしょう。

大変なことですが、エンドユーザーの

選択肢が増えることは良いことです。

今後は建てるのが簡単なだけでなく、

撤去が簡単な住宅の開発なんかが

発展の鍵になる予感がします。

今は住宅の解体・撤去が大変過ぎるし

費用が高すぎますからね。

実現すれば、土地活用の可能性が

劇的にあがるでしょう。

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