負動産になるのは実家だけではない
空き家になった田舎の実家が
不動産ではなく、負動産だと
言われるようになりました。
負動産。
借り手もおらず、売りたくても売れないのに
維持費は掛かってしまう
負担になる不動産ですが、
負動産になっているのは
一般住宅だけではないのです。
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●ボロ貸しビルの相続
60歳を過ぎても、
親の財産の全容を知らされていない
というのは珍しい事ではありません。
親が亡くなって初めて、
賃貸用の不動産を親が持っていたことを
知るなんてこともあるのです。
その不動産が、稼働している
有益な不動産なら何の問題もありませんが、
困惑するような不動産の場合は大変です。
例えば、ボロボロの貸しビル。
一般の住宅でも処分に困ることが
よくありますが、
貸しビルなどは
処分がもっと大変になることがあります。
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例えば、一般の住宅で
100坪で1000万円の土地に
3000万円の住宅を建て
50年後に相続になったとしましょう。
建物の評価額はゼロ円です。
土地の評価額は変わらなかったとしても
急いで売却しようとすると、
200万円なら買い取りますが、それ以上は
出せませんと言われたりします。
50年が経過しているとはいえ、
取得時の価値の5%の価格でしか売れないのです。
これは珍しいケースではありません。
芸能人の方など有名な人たちが、
実家の処分の体験記を本にしていたりしますが、
同じような経験をされています。
住宅ではない貸しビルだと
もっと苦労することもあります。
300坪で6000万円の土地に
4階建てで1億円の建物という貸しビルが
地方の駅の近くによくありますが、
こういう不動産をいきなり相続すると
大変なことになる場合があります。
入居者がおらず、1円も稼いでいなくとも
固定資産税を払わないといけません。
この物件だと安くても1年に84万円は
覚悟しないといけないかもしれません。
評価額の1.4%の金額を固定資産税として
払わないといけませんから
精査した物件の評価額によっては
さらに高い可能性もあります。
入居者を探すのも大変、物件管理も大変、
遠方の不動産屋との付き合いも大変
ということになって売却しようとすると、
300万円でしか買い取れません
と言われたりします。
取得時の1.875%の金額でしか
売れないのです。
土地に価値があったとしても
建物を撤去しなければ
事実上は価値がなく、
その撤去費用を計算すると
建設時のお金の2%から3%でしか
不動産屋は買い取れないのです。
相続した人は複雑ですよね
評価額が3000万円で
それに基づいて税金を払っている
ような場合は、
そんなに安いんじゃ売れない
ということになって、
希望売却価格1600万円をつけて売りに出し、
そのまま10年経過したビルが
地方にはいくつもあります。
せっかくの土地が活用されることなく
死蔵され続けるのです。
地方の再開発事業が、ずいぶんと高額になったり
再開発の話がまとまらないのは
こういう物件の存在も一因かもしれません。
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●一番必要とされていることとこれからの建物
とにかく建物の解体費用が高いんですよね。
解体費用には廃棄物処理費用も含まれますが
それだけでも高いです。
解体作業費と廃棄物処理費のそれぞれを
下げることを可能にしたら
大きい商売になると思います。
今のところ可能性が高いのは
解体作業の方ですね。
作業員の数を減らす。
理想は無人で作業する。
そうなると大幅に価格が
下がる可能性があります。
建設業者より
解体工事の現場で使われる
重機のメーカーが主導権を握るんじゃないか
と思って重機メーカーの様子を見てますが
重機の遠隔操作技術などは
面白い進化をしていますよ。
難しいのは廃棄物処理の方です。
行政の影響力が強い業界で
様々な規制が緩くなることは
考えにくいです。
市民生活や環境問題を考えると
規制が厳しいのは良いことです。
そうするともう廃棄物が最初から
出ないようにするしかないでしょう。
今の建物は撤去する場合、
ほとんどが廃棄物になってしまいます。
これからの建物は
解体した建物を部品として、あるいは
材料として、再利用できるものに
していかないといけないでしょう。
ゴミにならない建築です。
建築物をゴミとして捨てるか
資源として売るかの選択でもあります。
建築物はまだ大きな改良・開発の余地があり
大きな利益を生む可能性がある世界です。
3Dプリント住宅も面白いですが、
まったく別なタイプの建築物が
これからどんどん出てくる予感がして
面白いですよ。
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