気遣いこそ繁盛の秘密

春キャベツが安くなってきたので

『出汁しょう油の焼うどん』を

久しぶりに作りました。

昆布だけでとった出汁を使い

出汁を吸わせながら焼き上げるので

実は調理が難しいです。

具材はキャベツとピーマン、

そして網焼きにした油揚げと

刻み海苔を後からのせます。

お肉も魚介類も使わないので

ビーガンの人も食べられますし、

ハラールしょう油を使えば

イスラム教徒の方々にも安心して

食べていただける日本らしい料理です。

〆の一品ですが、お酒にも合います。

ビールも良いし、スパークリングワインも

合いますよ。

撮影:Takayuki Uchiyama

この料理、

京都の芸者さん達に人気があった料理です。

彼女たちが喜んで食べてくれたのには

ひとつきっかけがありました。

通常は最後に加える刻み海苔を抜いたのです。

海苔が歯に付くのを芸者さん達が嫌がるので…。

女性の美意識の厳しさには

本当に驚かされますが、

こういうことから商売を学ばせてもらいました。

味さえ良ければ

お客さんが喜んで食べてくれるわけではない。

自分にとってベストなものが

お客さんにとってベストなものとは限らない。

そういうことって

知識として知っていても

良い商品が出来た時には忘れがちです。

料理に限らずあらゆる業種でそうだと思います。

お客さんをちゃんと見て、話を聞いて

気を配る。

そしてお客さんに合わせて、

自分をちょっと変えることを嫌がらない。

そういうことが実は商売では

一番大事な気がします。

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