仕事が遅いから残業している訳ではない

もう入社式をした会社もあるようですね。

もうじき若い新入社員の方々が

働き始めるわけですが、

若い方々が

地雷を踏んで傷つかないために

知っておいた方がよさそうなことが

いくつもあります。

例えば、残業についてです。

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●かつて大臣だった人物の酷い発言

残業は良くないことであり、

残業している人は能力の低いダメな人

という認識が広がっています。

特に職務経験の少ない若い人の中に

そう考える人が増えていると思います。

一面では正しいでしょう。

同じ仕事を1時間で出来る人と

4時間かかる人では

1時間で出来る人の方が優秀です。

決められた時間内で

決められた仕事を終わらせ

定時で帰るのがあるべき姿です。

しかし現実の職場は

流動的なものですよね。

終業時刻の15分前にトラブルの連絡が来て、

プライベートの予定を全て

キャンセルして対応しなければならない

こともあるのです。

そういう理由で残業になることも

あるのが現実ですが、

こともあろうに

かつて大臣だった人物が

「決められた時間内に仕事が終わらない

 能力の低い人に残業代という割増のお金を

 払うのはおかしなことだ。」

という意味のことを言って、

政治家の無知と低能ぶりを

さらしてしまいました。

当然、猛烈に批判されていました。

しかし

困るのはこういう政治家の

発言を正しいと信じてしまう人が

少なくないことです。

働いた経験のない若い人

あるいは責任の重い仕事を

担当したことがない人は、

残業は能力の低い人がするもの

と思ってしまうかもしれませんが

現実は大きく違います。

もっとも、わざとゆっくり仕事をして

残業代をもらおうとする人も

現実にいますから

残業は好ましくありません。

実に難しい問題です。

実際の職場はそういう難しい問題

だらけです。

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●苦しそうに見える課長さんたち

残業に対する視線も昔とは変わり

ワーク・ライフ・バランスも

定着してきた近年は、残業が

嫌われるようになりました。

残業しなければならない

ポジションへの出世を嫌がる人も

増えています。

これから働き始める若い人の中にも

そういう人は少なくないでしょう。

中間管理職のなり手がいなくて

大変だという話も聞くようになりました。

実際、中間管理職は大企業でも

中小企業でも大変です。

中小企業の課長さんなどは

実際の労働時間で考えると

時給換算で平社員より給料が安くなる

などということが今でもあるようです。

それが近い将来

大きく変わるかもしれません。

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●さらに2極化する働き方

今、一部の中小企業では

中間管理職のなり手がいないことから

いきなり取締役にしようという

動きがあります。

2000年ごろのベンチャー企業、

今でいうスタートアップ企業で

よくありましたが、

取締役とアルバイトだけの会社と

同じような体制になる中小企業が

これから増えるかもしれません。

仕事が大変だが給料は凄く高く

そして短い契約期間を更新していく

働き方と

給料は低く昇給も無いけれど

責任も軽い正社員という働き方の

二つだけになるかもしれません。

結果的にその方が多くの人を

幸せにする可能性があります。

今までの日本の働き方は

大変な苦労をして成果をあげても

すぐに給料で評価してくれることはなく

反対に失敗しても会社に居場所を

用意してもらえることが多かったでしょう。

もちろん悲惨なリストラにあった人も

いましたが、『社内失業者』と言われても

しぶとく会社に居座り続けた人が

いましたよね?

それを避けることを

今すべての経営者が考えていて

その方法の一つの候補が

働き方の新しい2極化です。

取締役とその他の給料の安い人たち

で仕事をする体制です。

初任給の高額化が話題ですが、

それは働き方の新しい2極化の

始まりかもしれません。

仕事が出来る人は

どんどん給料があがるでしょうが

そうでない人は

初任給からほとんど昇給せずに

キャリアが終わることに

なるかもしれません。

今までの初任給が安すぎたので

高く見えますが、実質的には

安い給料です。

そして入社後の選別はかつてないほど

シビアになる可能性があります。

どれほど親切丁寧に研修をしてくれても

能力が低いと判断したら

会社はあっという間に育成をあきらめて

中途採用者を大事にすることでしょう。

いずれにせよ、これから働き始める

若い方々は大変だと思います。

もちろん今、働いている方々も

大変です。

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