衰退の原因を考える。朝ドラ『虎に翼』

NHKの朝ドラ『虎に翼』を見ていたら、

「アッ、こういうことが

 地域を、そして日本を衰退させた

 原因なんじゃないの?」

と思う場面がありました。

ドラマは1950年代あたりでしょうか?

古い時代の物語ですが、

現代でも同じようなことがあると思います。

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撮影:Takayuki Uchiyama

●この地域の人と風土に寄り添って

アッとなったのは

主人公の女性裁判官が

地方の裁判所に娘と二人で赴任してきたところ

その土地の弁護士から

「この地域の人と風土に寄り添って

 上手く物事を処理してもらいたい。」

という意味のお願いをされる場面です。

ドラマではさらに詳しく描かれますが

要するにその土地の有力者が満足するような

行動をとって欲しいということです。

裁判官にまでそんなことをいう訳ですから

他は推して知るべしでしょう。

今の世の中でもこういうことは

ありますよね?

裁判官がどうかはしりませんけど、

民間では

土地の有力者に気を使えというのは

日本全国どこでも言われていると思います。

これって、

その地域の人と風土に寄り添うことに

なるんですかね?

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●地域の為、人の為と言う人

この地域の人と風土に寄り添う。

それはつまり

この地域の人の為になるように、

ということだと思います。

良いことですよ。

しかし、そういうことを言う人の

やることを見ていると

地域の為になってはいるけど

自分が一番利益を得られるように

行動している例が多い気がします。

不便な場所にかかっている橋。

不自然に曲がっている道路。

橋も道路もあったほうが

地域の人の為になります。

無いよりあった方がみんな助かります。

でも、完成した道路や橋を見て

これが最善なものだと言う人は

地域のある有力者以外にいないだろう

という代物だった。

ということはないでしょうか?

こういうのは

全国各地にあるんじゃないでしょうか?

国のレベルでもあるでしょう?

地域が衰退している。

人口が減少している。

若者が外に出て行っている。

それを防ぐために

新しく道路を作ろう、橋を作ろう

公共施設を作ろうと言って

どんどん作って改善しているはずなのに

問題は悪化の一途である現実を

地域の為、人の為と言っている人たちは

どう考えているんでしょう?

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●仕事も生まれない

人が暮らしやすいようにインフラを整備した。

それなのに人がどんどん地域の外に出て

人口が減少する一方だ。

どうしたらいいんだろう?

そんなことを真面目な顔で言う

地方の議員さんやお役人がいますが、

本当は分かってるんじゃないですかね?

何をやるにもその地域の

ごく一部の人々、

有力者の都合と利益を考えすぎるから

最善の行動がとれないということを。

橋や道路だけじゃなく

まともな仕事もそのせいで

生まれないということを。

地域全体の利益、あるいは幸福

ということを

有力者こそ真剣に考えないとでしょうね。

有力者じゃない人たちは

外に出てしまえばいい訳ですから。

そして

有力者が一人ぼっちでいる地域ほど

これから新しいことをはじめようという人にとって

都合の良い地域だったりするのです。

これ、国単位で考えると恐ろしいことです。

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