『100%合法だが、健康によくない商品の売り方』という本の話
日本人は世界で一番、自分が勤務している
勤め先の会社や役所が嫌いだとする
調査結果があるようです。
嫌いな理由は様々でしょうけど
自分の仕事は誰かを幸せにしているのか?
むしろ人を不幸にする有害なものじゃないか?
という恐ろしい疑問と自己嫌悪と共に
勤務先を嫌っているという例が
少なくない気がします。
そういうことを考えさせつつ
商売ってなんだろう?
これからも生き残り
成長する商売はどういうものだろう?
ということを考える
良いきっかけになってくれるのが
『100%合法だが、健康によくない商品の売り方』
という書籍です。
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●商売の中の「悪」
『100%合法だが、健康によくない商品の売り方』
実に強烈なタイトルの書籍です。
ジョシュア・クネルマンというジャーナリストが
タバコ会社を渡り歩いた弁護士から聞き取った
内容を基に
タバコ産業を国際的に書いています。
たばこ、確かにタイトル通りの商品です。
金に目がくらんだ人間たちのドロドロの
群像劇といったものではなく、
法律を守りながら、合理的に仕事が
進められていく姿に、複雑な感情を
抱くことになると思います。
ハンナ・アーレントの著作が好きな人は
もの凄く面白く読めるんじゃないでしょうか。
悪の陳腐さと悪の合理性といったことを
考えてしまうことでしょう。
そして改めて思うのは
法律と商売についてです。
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●保護と規制
自由経済、自由競争と言っても
どこの国にも規制はあって
それが経済成長の妨げにもなれば
産業保護による成長にもなるという
非常に複雑な二面性が規制には
あります。
規制があるから創意工夫による
イノベーションが起きるという
こともあるのです。
それは昔から言われる
「悪が生んだ良きもの」
ということになるかもしれません。
そういうことを思い出すと
何でもかんでも
規制緩和すれば良くなるというのは
あまりに考えが単純すぎて
危険なのかもしれませんよね。
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●政治力と商売
商売にとってあらゆる意味で重要な
ものである規制、つまり法律。
良くも悪くも変化するものです。
その変化が恐ろしいですよね。
理性的、合理的な理由で
変化するわけではありませんから。
最近のヨーロッパやアメリカの企業の
事例を見るとそう思います。
声の大きい人たち、人数が多い人たちが
感情的になって不合理なことをして
不幸を招くような雰囲気があります。
例えば、USスチールなどです。
まだ最終結論に達していませんが、
あれは政治力によって
商売が壊され、不幸になった実例
になってしまうかもしれません。
そういった
政治力が法を捻じ曲げてしまう現実を
見ると、マーケティング能力とか
研究開発能力だけでは
商売の成功は難しいでしょう。
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