90年代の日本の音楽

若い人から90年代のあれこれを質問されることが最近多くて、

先日は音楽の話になったので、当時のものを色々出してきて一緒に聴いて、

1年ごとにその年を象徴する1曲と、印象的だった1曲を選んでみました。

90年を象徴する1曲 

「おどるポンポコリン」B.B.クイーンズ

アニメちびまる子ちゃんの主題歌です。幸福な時代の音楽という感じがします。

ボーカルは坪倉唯子さんです。

坪倉さんはソロ活動もされていて、良い曲があります。

特に素晴らしいのが、

ジョナサン・ラーソンのミュージカル『レント』の日本版に出演されたときの歌唱です。

90年に印象的だった1曲

「さよなら人類」たま

80年代はバンドブームでした。

『活かすバンド天国』というテレビ番組のオーディション企画がありまして、

いろんなバンドがメジャーデビューしました。

たまもその一つです。

今聴いても目立つ個性ですよね。

不思議な空虚感というか終末感が漂う曲です。

明るいバブル経済の中で、いち早く暗い何かを捉えた鋭い感性を感じますね。

91年を象徴する1曲 

「I LOVE YOU」尾崎豊

尾崎さんが生前に発売したシングルの中で最大の売上になった作品です。

1983年発表のファーストアルバム「17歳の地図」収録の曲ですが、

91年にシングルになるくらい人気があります。

宇多田ヒカルさんのカバーも有名です。

91年に印象的だった1曲

「Break These Chain」Chara

Charaさんのファーストアルバムに収録の1曲です。

この曲は後に、岩井俊二監督のテレビドラマ作品

『FRIED DRAGON FISH』のエンディングテーマになるんですが、

その映像との組み合わせが好きです。

92年を象徴する1曲

「Choo Choo TRAIN」ZOO

発売は91年11月ですが、JRさんのスキー旅行のCMに使われたこともあり、

当時ものすごく流れていました。

EXILEさんのカバーなども有名ですね。

92年に印象的だった1曲

「Good night」福山雅治

平成のスーパースター福山雅治さんの、最初のヒット曲なんだそうです。

ここからラブソング路線に進んでいきました、

とご本人がテレビ番組などでおっしゃっているので、

もしかしたら、もっとロックな福山さんを見ることが出来たのかもしれません。

93年を象徴する1曲

「負けないで」ZARD

もの凄くよく流れていました。

スポーツの応援などで、吹奏楽のバンドが演奏してたりしますね。

そういうのもあって、今の大学生も知ってるくらいの大ヒット曲です。

お母さんが今でも聴いてますとか言われると、時の流れを感じます。

久しぶりに聴いてみて、明るさに驚きました。

93年にリリースされたことが不思議な感じです。

93年は、就職氷河期の最初の年とすることもあるくらい、暗い年です。

その年にこの曲がヒットしたことをどう考えたらいいのか?

「負けないで」と歌われることにまだ現実感があったんでしょうか?

たぶん、まだ誰一人『失われた10年』を予想していなかったのでしょうね。

曲は本当に良い曲ですよ。

坂井泉水さん、織田哲郎さん、

そして長門大幸さんの偉大さがよく分かります。

93年に印象的だった1曲

「ぼくたちの失敗」森田童子

ドラマ『高校教師』の主題歌です。

圧倒的な歌声。圧倒的な存在感の楽曲です。

この曲は衝撃的でしたが、『高校教師』というドラマも衝撃的でした。

過去を刻み付けているようでもあり、

未来を予言しているようでもありました。

最近、90年代のドラマが再放送されているそうで、

95年の『愛していると言ってくれ』

が好きだと言う大学生に出会いました。

ぜひ『高校教師』も見て欲しいですね。

94年を象徴する1曲 

「innocent world」 Mr.Children

90年代を代表するバンドMr.Childrenの初のオリコンチャート1位の曲です。

時代がどんどん殺伐とするなかで、ミスチルの曲だけは優しかった。

という女性がたくさんいました。

94年に印象的だった1曲

「今夜はブギー・バック」小沢健二

90年代最高の1曲と言う女性もいるくらい人気のある曲です。

今でもいろんな人がカバーしていることもあり、若い人にも人気があります。

なんと坂本龍一さんも「良い曲」と言っていたという話もあるくらいで、そのことに嫉妬します。

95年を象徴する1曲 

「LOVE LOVE LOVE」DREAMS COME TRUE

95年のテレビドラマ『愛していると言ってくれ』の主題歌です。

200万枚以上のセールスを記録して、

オリコンの年間チャートで1位を獲得しています。

すごく売れたうえに、なんと学校の音楽の教科書に掲載されたこともあるそうです。

95年は阪神大震災に地下鉄サリン事件と大きな事件が連続して起きた年でした。

そしてバブルの崩壊を誰もが認めざるをえなくなった年だったと思います。

世の中が凄く殺伐としてきた年だったという人が多いですね。

その年にこの優しい曲がヒットしたのは、

やっぱり癒しが求められていたからでしょうか?

95年に印象的だった1曲

「虹」電気グルーヴ

美しいテクノ・ミュージックです。

ここからテクノのイベントにも行くようになった人、多かったと思います。

90年代は日本のテクノ・シーンも凄く盛り上がって、

ケン・イシイさんやサトシ・トミイエさんが良い曲を聴かせてくれました。

一番好きなのはススム・ヨコタさんです。

96年を象徴する1曲 

「DEPARTURES」globe

小室哲哉さんが自らメンバーとなって活動したglobeさんの曲です。

この曲もCMで使われてたと思いますが、よく流れていました。

90年代は音楽とCMの蜜月時代でした。

長門大幸さんが確立したスタイルらしいですが、

90年代の小室哲哉さんもそのスタイルを上手くやっていたと思います。

女性を歌い手にする曲がほとんどだったので、

男性ボーカルの作品をまた聴きたいですね。

TMNも活動しているみたいなので、楽しみにしています。

96年に印象的だった1曲

「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」YEN TOWN BAND

岩井俊二監督の映画『スワロウテイル』の主題歌です。音楽プロデューサーが小林武史さん。

歌はCharaさん。

『スワロウテイル』という映画は、90年代の空気をすごく上手く捉えていると思います。

殺伐としていて、現実感が無い感じ。そして甘い。まだ楽しい時代でした。

97年を象徴する1曲

「CAN YOU CELEBRATE?」安室奈美恵

テレビドラマ『バージンロード』の主題歌です。

一時期、今でもそうかもしれませんが、結婚式でよく使われた曲ですね。

作詞作曲は小室哲哉さんです。

カバーが沢山ありますけど、やっぱり安室ちゃんの声が一番この曲に合ってますよね。

90年代の最高の女性スターだと思います。

当時ダウンタウンさんの音楽番組があって、

ダウンタウンさんとのトークが凄く面白かった記憶があります。

検索すると出てくるかもしれません。

97年に印象的だった1曲

「HOWEVER」GLAY

90年代はヴィジュアル系ロックバンドの時代でもありました。

その中でGLAYさんが一番広く好まれたのかなと思います。

プロデューサーを務めた佐久間正英さんとの相性が良かった気がします。

音が綺麗ですよね。

98年を象徴する1曲 

「夜空ノムコウ」SMAP

大不況下で極めて殺伐とした時代に、見事にマッチした曲でした。

一部でロスジェネ・ソングと言われたみたいです。

この時代を凄く象徴してますが、普遍的でもあると思うんですよね。

作曲の川村結花さんと作詞のスガシカオさんの才能が爆発しています。

良い曲です。

98年に印象的だった1曲 

「すべりだい」椎名林檎

椎名林檎さんのデビューシングル『幸福論』のカップリング曲です。

曲、歌詞、ヴィジュアル、パフォーマンス、

あらゆる点で才能があり過ぎる感じだった椎名林檎さん。

彼女の才能の中でも声は特に魅力的で存在感がありました。

その声の良さに持って行かれる曲『すべりだい』です。

本格的に大ヒットするのは99年からですが、

最初から彼女は凄かったですよ。

99年を象徴する1曲

「First Love」宇多田ヒカル

椎名林檎さんと同じく、最初からあらゆる点で凄かった宇多田ヒカルさんの

ファーストアルバムのタイトル曲です。

宇多田さんも声の存在感が圧倒的でした。

アルバムの売上は歴代1位。700万枚オーバー。

ここまでの成功をしてしまうと、音楽に対する情熱を失いそうですが、

そうならなかったのが宇多田さんの素晴らしいところだと思います。

その後も良い曲を沢山作ってくれています。

キャリアを重ねるごとに様々なジャンルの要素を取り入れている印象で、

そういう自由度の高い楽曲制作が魅力になっていると思います。

個性的なギタリストを10人ぐらい呼んで、

1枚アルバムを作ってくれたら面白そうなんですけど、どうですかね?

99年に印象的だった1曲

「Boys & Girls」浜崎あゆみ

とにかくあらゆるところでよく流れていた曲です。

この曲だけじゃなく、複数の曲が同時にヒットしていましたね。

浜崎さんは時代の中心でした。

【プレイリスト 90年代の日本の音楽】

90年 「おどるポンポコリン」B.B.クイーンズ

    「さよなら人類」たま

91年 「I LOVE YOU」尾崎豊

    「Break These Chain」Chara

92年 「Choo Choo TRAIN」ZOO

    「Good night」福山雅治

93年 「負けないで」ZARD

    「ぼくたちの失敗」森田童子

94年 「innocent world」 Mr.Children

    「今夜はブギー・バック」小沢健二

95年 「LOVE LOVE LOVE」DREAMS COME TRUE

         「虹」電気グルーヴ

96年 「DEPARTURES」globe

    「Swallowtail Butterfly ~あいのうた~」YEN TOWN BAND

97年 「CAN YOU CELEBRATE?」安室奈美恵

          「HOWEVER」GLAY

98年 「夜空ノムコウ」SMAP

    「すべりだい」椎名林檎

99年 「First Love」宇多田ヒカル

    「Boys & Girls」浜崎あゆみ